「今回こそ絶対痩せてやる!」
固く決意してダイエットを始めたものの、甘いスイーツ、テレビを見ながら食べていたポテトチップス、
毎晩飲んでいるお酒などを見かけるとつい食べたり、飲んだりしてしまう。
こんな時、「どうして私は意志が弱いんだ」
と自分を責めたりしてませんか?
この悩みに対して現代の科学では、
「それは意志ではない」
「そもそも、人間の心や体は太るようにデザインされている」
こう回答しています。
時代を遡るとこの謎が解けてきます。
数百万年前の旧石器時代、狩猟採集で生活をしていた人間は、得た肉、魚、木の実、果物を食べていました。
狩猟というのは食糧の確保が難しく、獲物が見つかる日もあれば、見つからない日もあります。
とても不安定な生活を強いられていたため、十分な栄養を摂取できないことが当たり前だったのです。
そのため、人間はより安定した食料を得るため、農耕や牧畜を確立しました。
飢餓を乗り越えることはできましたが、狩猟から農耕へ移行するまでに数百年という時を要しています。
いったい彼らはどのようにして長い年月を食いつないでいたのでしょう?
その鍵が「脂肪」です。
人間は他の霊長類と比べて、最も太っている生物です。
ゴリラ、チンパンジーなどの体脂肪は約6%、子供は3%で生まれてきます。
一方、人間の体脂肪は男性で平均15~20%、女性で平均20~25%です。新生児は15%と言われています。
なぜ、これほど多くの脂肪を有しているのかというと、脳の大きさと関係があります。
人間の脳の大きさは他の霊長類に比べてとても大きく、安静時でのエネルギー消費は、基礎代謝の20%(260~300kcal相当)を占めているのです。 ※女性の基礎代謝:1200kcal 男性の基礎代謝:1500kcalから算出
また、人間は獲物を追いかけるために1日に平均15kmを走ったり歩いたりしていました。
しかも大抵は、空腹の状態です。
さらに女性は乳児に母乳を与えなければならず、通常よりもさらに20~30%のエネルギーが必要になります。
旧石器時代において、脳に絶えずエネルギーを供給し、獲物を狩り、子育てをするためには、とにかく「余剰のエネルギー」をいかに確保するかが大切でした。
その供給を可能にしたのが「脂肪」です。
食料事情が厳しい飢餓の時代を生き抜くためには、効率的に脂肪を蓄えてエネルギーに変換する仕組みが大切だったのです。
現代の米子の生活では、車生活が当たり前になり、運動習慣がなくなり、食生活では外食やスイーツやお菓子、お酒など圧倒的に高カロリーなものが増えました。
人間の体そのものは昔のまま進化していないのに、色んな技術が人間の知恵によって発明されたおかげで、
生活はかなり快適になったのはいいことですが、その反面太りやすい体を更に手助けして肥満を作り出してしまったわけです。
この現実を知り、運動習慣を足して、食べたいものを食べても太らないようにコントロールすることが大事だと思います。